書籍

【書籍】幸福の考え方について

皆さんお疲れ様です。

路上では桜は咲き始め、春を感じさせる時期になってきました。袴姿で移動する若人を見ると、学生から新社会人になるのだと考えると、昔の自分も思い出すこともあります。

今回はある書籍に『人生における幸福』について記されたものがあり、とても印象に残った内容だったので、私自身の見解も含め、書籍を紹介していきます。

幸福とは何か

そもそも『幸福』とはどのような状況を示すものなのか。

広辞苑 『幸福』

心が満ち足りていること。また、そのさま。

広辞苑ではこのような言葉で『幸福』を表現しています。皆さんはこの『心が満ち足りている』とは、どのような状況にあたりますか。

  • 使いきれない程の富を得たとき
  • 愛する人と一緒に過ごしているとき
  • 誰しもが知っている地位や名誉を得たとき

人によって『心が満ち足りている』と感じる要因は違いがあり、千差万別です。だからこそ『幸福』とは何かと悩む人もいるかもしれないです。

そんな人が自分にとっての『幸福』を探すきっかけとして、書籍『シリコンバレー 最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』をおすすめなので、紹介していきます。

書籍について

ここで、書籍の著者や、今回の題名にもある『ナヴァル・ラヴィガント氏』について紹介していきます。

まずは著者についてです。

著者 エリック・ジョーゲンソン氏
  • プロダクト・ストラテジスト 作家
  • ザーリーの創設チームに参画
  • (住宅所有者とサービス提供業者を繋げる会社)
  • 100万人の読者がいるビジネスブログを作成

今回紹介するエリック氏が著書で挙げているナヴァル氏は、エリック氏の中で『これまで出会った中で最高に賢い人で、最高に勇敢な人』と絶賛しています。

では、そのナヴァル氏について紹介します。

ナヴァル・ラヴィカント氏
  • インド デリーで出生
  • ダートマス大学卒(コンピューターサイエンスと経済学専攻)
  • エピニオンズを創業、CEOに就任
  • オーガにスト・キャピタルのベンチャーパートナーに就任
  • ブログ「ベンチャーハックス」を開設
  • エンジェルリスト立ち上げ
  • 米連邦議会にJOBS法の成立を働きかける
  • 「年間最優秀エンジェル投資家」に選出
  • ※エンジェル投資とは、個人で創業間もない企業に資金を供給しているもの

この書籍は、ナヴァル・ラヴィカント氏がSNS等でコメントした内容を著者であるエリック氏が編集したものです。

その中で、記されてる『幸福』に焦点を当てて書いていきます。

ナヴァル氏の『幸福』とは何か


ナヴァル氏が考える『幸福』について
  • 『素の状態』でいられるとき
  • 『今この瞬間』を大切にする
  • べき』という考えを無くす

順番に説明していきます。

①『素の状態』でいられるとき

ナヴァル氏は『素の状態』であることが『幸福』になる条件の一つと説いています。この『素の状態』とは、どのような状況を表しているのか。

書籍ではこのように記されています。

幸福とは「素の状態」だと信じている。人生に何かが欠けているという感覚がなくなったとき、幸福はやってくる。

引用:『シリコンバレー 最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』

生きていく中で、自身の中で足りないものや手に入れたいという欲求が働くことで「自分にないもの」を探そうとします。

ナヴァル氏の『幸福』とは、このような感情や考えが全くない状態であると答えています。しかし、人間はどうして「ないもの」を探してしまうのでしょうか。

過去の出来事と未来への予感

ナヴァル氏は『素の状態』を受け入れられない原因は『物事をあるがまま受け入れることができない』ことだと話しています。

受け入れられない要因は『過去や未来による不安』です。人間は過去の出来事で『足りないもの』を探りだし、それが欲求へと変化します。同じように、先の見えない未来についても、その不安を取り除くための方法を欲するようになります。

欲するものは『富』『地位』『関係性』等人それぞれ違いはありますが、その欲求が雑念に変化し『素の状態』を維持することが困難となります。

では、その困難を脱するにはどうするか。1つの方法として、『今』を大切にすることが重要なのです。

②『今この瞬間』を大切にする

前述であったように『過去』の経験から浮かび上がる不安や『未来』に対して、先の見えない不安に苛まれることがあります。その不安を解消する方法として、外的なものによる欲望が生まれていきます。

ナヴァル氏が話す『幸福』とは、外的なものに頼らず、あるがままを受け入れることと語っています。

あるがままとは『過去』や『未来』にとらわれず、『今この瞬間』を大切に使っていくことです。

現実は中立的である

少し大きな話になりますが、私たち人間は自然の中で生きています。自然にはそもそも『幸福』や『不幸』という概念は存在しません。どんな動物、植物に対しても『中立的』なのです。

そんな『中立的』な世界なのだから、『幸福』や『不幸』はその人がどのように捉えるかによって判断されます。

また、その世界の中で『過去』や『未来』によって『幸福』が決まる訳でもありません。本当に『幸福』を得たいのであれば『今この瞬間』を大切に使うことが必要なのです。

『べき』という考えを無くす

固定観念というべきでしょうか。世の中には『こうあるべき』『このようにしなければならない』という考えが出回っています。

ナヴァル氏はこの考え方を『社会や他人に植え付けられた期待』と表現しています。また別の言い回しで『多人数型の競争ゲーム』と表現しています。これを日常的な会話で表すと『誰よりもお金持ちになりなさい』『誰よりも賢く生きるよう、勉強をしなさい』と他人と競争し、勝利することを『善』と表したものです。

しかし、人間にとって『多人数型の競争ゲーム』は窮屈なものでしかないのです。

人生は常に『1人ゲーム』

ナヴァル氏は人生の1つの考え方について、このような文章を残しています。

でも現実には、人生は1人ゲームなんだ。君は1人で生まれ、1人で死んでいく。何を解釈するのも1人だ。何を記憶するのも1人だ。

引用:『シリコンバレー 最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』

人間は集団生活の中で生きていくことが多く、周りに合わせていく機会も多いです。多人数と同様の行動をすることが求められる社会ですが、最終的に人間は1人で物事を終結させます。

多人数と行動し、多人数から評価される。しかし、長い期間が過ぎていけば、多人数であった人の寿命は尽き、その記憶からなくなります。結果、その人が起こした行動や考えは『その人自身のもの』になっていくのです。

ナヴァル氏はこれを『一人ゲーム』とも表現しています。

『こうするべき』という多人数の抑圧で動いたとしても、最終的には『一人ゲーム』なので、その人が納得した行動でなければ『幸福』に繋がることはないです。

一人ゲーム』で始まり『一人ゲーム』で終わる。そんな人生を目指し、他人に振り回されないことで『幸福』な人生に繋がる。簡単にまとめましたが、ナヴァル氏の考える『幸福』はこのように表現されています。

今の自分を見つめ直す機会を作る

今回はエンジェル投資家として有名なナヴァル氏による『幸福』についてまとめていきました。

今回の内容を要約すると次の通りになります。

  • 外的欲求に左右されず、素の状態を心がける
  • 『過去』や『未来』ではなく『現在』をどうするか考える
  • 周りの意見に流されず、自分の意志を持っていく

皆さんの中で、人生に物足りなさや周りに流されてしまっている方はいませんか。そんな人はナヴァル氏にとっての『幸福』から離れてしまっている可能性があります。

少しでも『そうかもしれない』と感じる方がいれば、この内容を参考に、自分自身を内省し、改めて人生を見直すきっかけになればうれしいです。

おわり。