皆さんお疲れ様です。
ゴールデンウィークも空けて、5月病になってしまったという方はいませんか。長い休みの後は、気持ちが落ち込みやすく、仕事に対して意欲が低下しやすい時期です。無理はせず、自分のペースで気持ちを整えていきましょう。
今回は『リーダーの思考法について』まとめた記事です。以前、別の記事でリーダーに関する書籍を上げさせてもらいました。
この内容では、社員の中で優秀とされるトップ5%に入るリーダーの習慣についてまとめたものです。それとは別に『リーダーに必要となる仮面』を付けるための思考法についてまとめた書籍がありました。この書籍を参考に、リーダーの思考法について紹介していきます。
リーダーの仮面の著者について
紹介する書籍はこちらになります。
続けて著者についてです。
- 株式会社識学 代表取締役社長
- 1979年 大阪府生まれ
- 早稲田大学卒業
- 株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社で取締役営業副本部長党を歴任
- 2015年 株式会社識学を設立
リーダーに必要な思考法
この書籍では、安藤氏による『識学』からリーダーに必要な思考法をまとめた内容になっています。
『識学』おけるリーダーの思考法は次の通りになります。
- 誰でも守れるルールを作る
- 仕事を『言い切り』で任せる
- 言い訳を排除し、事実のみを汲み取る
- 『プロセス』ではなく『結果』を評価する
- 業務を『点と点』で管理する
①誰でも守れるルールを作る
皆さんの中で上司からこのような仕事をお願いされたことはないですか。
- 次の会議で使う資料を作っておいて
- この企画の立案をあなたに任せます
この内容を聞いて、上司が部下を信じて仕事を任せていると感じる人もいるのではないでしょうか。しかし、この仕事の任せ方はNGです。
この仕事には、明確な基準がありません。基準がなければ、評価も明確でないということになります。この評価は個人差が生まれる可能性が出てきます。
『あの人の時は許されたのに、私の時は許されなかった。不公平だ』
任された部下は上司に不信感を抱いてしまいます。上司も部下に対し、無意識に部下を感情的に評価している可能性もあります。これを心理学では『ハロー効果』とも呼ばれています。このような思考が起こらないよう、リーダーは部下へ仕事を任せる場合、明確なルールが必要となります。
②仕事を『言い切り』でまかせる。
部下に仕事を任せる際、このような指示を出すことはないでしょうか。
- 時間がある時に、この企画書を作成してください
- この仕事を任せたいけれど、どうかな
この指示は、部下を配慮しているように捉えられますが、この内容には問題があります。それは、相手に選択を委ねてしまっていることです。
責任の所在がわからなくなる
先ほど例に挙げた方法で、部下に指示を出すことで、ある不都合が生じます。それは上司と部下の上下関係がなくなってしまうことです。
この例では『時間がある時に』という表現は『指示』ではなく『お願い』という形になってしまいます。これにより、本来上に立つものであるはずの上司が部下と平等の立場になっている状況です。
また別の例で『どうかな』という言葉かけは、相手に選択権を与えてしまっています。これも上司と部下が対等な関係であることを表現してしまっています。
指示は明確に言い切る必要がある
上司の立場における、適切な指示の出し方として、明確にかつ言い切ることが必要です。
前述の例で挙げた『時間がある時に』という内容は『11日の正午までに』と提出時間をはっきりとさせます。そこから、部下からの答えを待つというスタンスを徹底します。この際、期限に間に合わないという状況になった場合、部下から『いつまでに提出できるか』を明確に答えてもらうことが必要です。
また別の例で挙げた『どうかな』という内容では『この仕事をあなたに任せます』という対応に変えます。ここで重要になるのは、指示を出した上司本人にも責任が生まれるということです。しかし、責任の所在をはっきりさせることも重要です。そうでなければ組織として破綻してしまいます。
③言い訳を排除し、事実のみを汲み取る
部下に仕事を任せ、期限を明確に設定していたとします。期限になり、部下に達成できたか確認をした際、このような返答があったとします。
- 現場が忙しく、間に合いませんでした
- 急遽対応する案件が出たため、未達となってしまいました
部下からこのような報告があった場合、どのように回答していますか。
上司の中には
- 『現場が忙しい時期だったのだから、仕方ない』
- 『優先順位が変わったのであればしょうがない』
以上のような思考は、リーダーにとって要注意です。このような言い訳を認めてしまえば、部下が同じ状況になれば、未達となることが増え、業務が滞る可能性が増えます。
では、管理するものとしてはどのような対応をすればよいか。それは『次回期限内に終わらせるためには、どのようにするか具体的に決める』ことです。
行動を具体化する
『現場が忙しい時期』という例を使って具体的にどのようにするか考えていきます。現場が忙しい状況であれば、事前に現場の状況を把握し、時間管理をし、任された仕事を行う方法が挙げられます。
このように『何か改善する部分はないか』『次はどのように行動に移すか』を具体化し、次回は期限内に達成できる形を作るきっかけをリーダーは部下へ与えることが重要です。
④『プロセス』ではなく『結果』を評価する
仕事をしている中で、成果だけでなく、頑張ったことを評価して欲しいと考える方がいます。確かに、結果が悪い状況であっても、それを準備する時間や過程を褒めて欲しいと感じてしまう人はいます。
しかし、残酷ですが、仕事は『結果』を求められてしまうものです。そうでなければ、成り立たない場面が出てしまうからです。
その一つとして『残業アピール』が挙げられます。
成果とかけ離れた業務
遅くまで残って仕事をする姿をリーダーが見て『あの人は頑張っている』と評価すれば『残業すれば評価に繋がる』と勘違いする部下が出てきます。しかし、本来であれば、残業の有無に関わらず成果を出さなければ、業務に意味を持たなくなります。
その本質とずれた評価は、部下を間違った方向に向けます。
一生懸命頑張っている部下がいるが、結果を出していない。リーダーとしては評価したいと考えてしまいがちですが、心を鬼にし、結果のみを評価していくことが重要なのです。
⑤業務を『点と点』で管理する
仕事を上司が部下に任せた後、どのような対応をしているでしょうか。上司の中には、任せた仕事に期間を設け、その期中に『進捗はどうか』と確認する方はいないでしょうか。しかし、この確認は、部下にとって悪影響になってしまうことがあります。
中間報告における悪影響
部下は仕事を任せ、実行している途中、失敗してしまうことがあります。上司はその失敗を恐れ、定期的に確認する行動に出てしまうことがあります。
しかし、そのフォローはその場で解決はしますが、部下が失敗から学ぶ機会を失ってしまいます。また、与えられた仕事をどのように遂行していくか考える場面を失わせてしまう可能性も出てきます。
上司は、仕事を任せたら、部下の自主性を尊重することも大切です。
任せる上での注意点
部下に仕事を任せ方に注意が必要です。それは、任せた仕事に『期限』と『状態』を提示することです。
『このイベントを7月にやるから、企画作っておいてください』
この例で説明すると、いつまでに企画を作らなければならないか。もう一つがどのような形で企画を出せばよいかです。これらに配慮しながら例を直すと
『7月11日にイベントをするので、6月15日までに企画書を作成して欲しい。案は3つ候 補を上げてもらいたい』
このように『期限』と『状態』を明確にし、後は6月15日までに企画書を待つようにします。前述で書いた通り、途中経過を確認することはNGです。
感情に左右されないリーダーを目指す
今回はリーダーに必要な思考法として、次の内容を挙げました。
- 誰でも守れるルールを作る
- 仕事を『言い切り』で任せる
- 言い訳を排除し、事実のみを汲み取る
- 『プロセス』ではなく『結果』を評価する
- 業務を『点と点』で管理する
この思考法に共通することは『感情に左右されていない』ということです。感情に合わせて行動してしまえば、部下の実績ではなく、感情で評価をしてしまいます。そのやり方は、後に部下への不信感につながってしまう危険が生じます。
そのようなことが起こらないように、リーダーは部下に平等に対応し、同じ目線で評価基準を設定しなければなりません。
この内容を参考に、感情に振り回されないリーダーを目指してもらえれば幸いです。
終わり。